〜文化・交流・人づくりの拠点として〜
白鷹町文化交流センター「あゆーむ」は、地域文化、芸術文化を通じた町内外の人々との交流の場を目指します。
山形県白鷹町生まれの洋画家です。画業を志して上京し、森田茂・熊岡美彦の両氏に師事しました。東光展と日展を主な発表の場として活躍し、1956(昭和31)年の第12回日展では、自らが働く中華料理屋を描いた<調理場>が独特の生活感を評価され、特選を受賞しました。鮮やかな色彩と分厚い筆致に特徴があります。東光会理事長や日展参与などの重責も担いました。
晩年、白鷹町に代表作など120余点の作品を寄贈し、それらは当館に収蔵されています。
※常設展示はございません。展覧会を行う際は、随時トップページにてお知らせいたします。
○上京
1920(大正9)年、山形県西置賜郡東根村(現在の白鷹町浅立)に生まれました。
東根尋常小学校を卒業後、1938(昭和13)年に画家を志して上京。姉の元に身を寄せ、昼は絵の勉強、夜は姉の飲食店で手伝いをする生活を送りました。1939(昭和14)年、知人の紹介により、帝展特選の洋画家である森田茂に師事します。ところが、森田は制作で地方に出掛けることが多かったため、1941(昭和16)年、森田の師である熊岡美彦の絵画道場を紹介され、入門しました。ここで、石膏デッサンや人体の写生といった洋画の基礎を学び直し、その甲斐もあり1943(昭和18)年、第11回東光展に《机上静物》が初入選します。
○戦争
1944(昭和19)年には、痩せて43キロしかない梅津も戦争に召集され、画業は中断されます。補充兵として応召、盛岡の戦車隊に入隊しました。訓練後、北海道帯広に転属、その後駐屯していた徳島県板東で終戦を迎えます。
○戦後
1946(昭和21)年、第2回日展に郷里の山形を描いた《秋》が初入選します。以後、東光展と日展とが主な発表の場となりました。戦後しばらくは全体に色彩を抑えた作品が多く、「調理場」シリーズや「酒屋」シリーズといった独特の生活感を感じさせる作品を描きます。1956(昭和31)年の第12回日展では、自らが働く中華料理屋を描いた《調理場》が特選を受賞しました。
○フランス留学
1962(昭和37)年には8ヵ月に渡りフランスに留学します。滞仏中は教会や風景など多くのものを描き、それ以前とは一転して色彩が豊かで鮮やかになりました。1964(昭和39)年の第7回新日展では、南仏の古い家並みを描いた《風景》が特選を受賞します。
○日本各地に
浅草鳥越から下落合に引っ越した1967(昭和42)年頃から、制作の取材のために日本各地に赴くようになります。滞欧期に培われた豊かな色彩感を活かし、極めて厚塗りなタッチで日本の風景を描きました。中でも郷里山形には度々訪れ、蔵王を描いたシリーズは代表作といえます。
○80年代以後
1980年代からは日本各地の風景に加え、下落合のアトリエから見える街の風景が多くなります。特に《昼の月》などの「月」シリーズは、画面に大きく空を取った構図が特徴的です。1999(平成11)年東光会理事長に就任、2001(平成13)年日展参与に就任し、東京にて83歳でその生涯を終えました。
1920年(大正9年) | 0歳 | 5月5日、山形県白鷹町浅立に生まれる |
1939年(昭和14年) | 19歳 | 森田茂に師事 |
1941年(昭和16年) | 21歳 | 熊岡美彦絵画道場に入門 |
1943年(昭和18年) | 23歳 | 第11回東光会 《机上静物》 初入選 |
1946年(昭和21年) | 26歳 | 第2回日展 《秋》 初入選 |
1949年(昭和24年) | 29歳 | 第15回東光会会員 推挙 |
1956年(昭和31年) | 36歳 | 第12回日展 《調理場》 特選受賞 |
1957年(昭和32年) | 37歳 | 第23回東光会審査員 推挙 |
1958年(昭和33年) | 38歳 | 安井賞展 入選 |
1962年(昭和37年) | 42歳 | フランス留学(63年まで) |
1963年(昭和38年) | 43歳 | フランス滞在中にサロン・ナショナル・デ・ボザール展 初出品準会員 推挙 |
1964年(昭和39年) | 44歳 | 第7回新日展 《風景》 特選受賞 |
1977年(昭和52年) | 57歳 | 第9回改組日展審査員 推挙(外4回) |
1978年(昭和53年) | 58歳 | 日展会員推挙 |
1990年(平成2年) | 70歳 | 日展評議員推挙 |
1995年(平成7年) | 75歳 | 第61回東光会 《下落合風景》 文部大臣奨励賞 |
1999年(平成11年) | 79歳 | 社団法人東光会 理事長就任 |
2001年(平成13年) | 81歳 | 社団法人日展 参与就任 |
2003年(平成15年) | 83歳 | 故郷山形県白鷹町に絵画104点を寄贈 7月28日、没する 梅津五郎画伯遺作展(11月15日−24日、白鷹町中央公民館) |
2005年(平成17年) | 梅津五郎作品展(9月28日−10月2日、山形美術館) | |
2008年(平成20年) | 梅津五郎洋画展(6月10日−29日、致道博物館・鶴岡アートフォーラム共催) | |
2009年(平成21年) | 白鷹町文化交流センター開館記念展覧会 |
・令和2年度開催「生誕100年記念 梅津五郎絵画展」の様子(動画)をfacebookにアップロードいたしました。よろしければご覧ください。